水鴎流 鴎光館 代表村田泰裕 居合修行の眼目
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鴎光館代表村田泰裕
私の本業はシーカヤックのインストラクターおよびガイドで、伊豆は松崎に店があります。今日までに、国内外を問わず数々の遠征をしてきました。洋上での小さな手漕ぎの舟は正に『板子一枚下は地獄』の通り、一瞬の判断を間違えると簡単に命を落としかねないスポーツでもあります。
2001年、4度目の大きな海外遠征は、アラスカに近い島約1,000kmを1周することでした。外洋に近づく島の西側では、波と風に翻弄される毎日。遠征半ばで、撤退を余儀なくされました。 以来、『何故、自分には出来なかったか?』これだけが、頭の中から離れません。考ええぬいた末、全てに関しての『覚悟』が決まらなかった、という結論に辿り着きました。それでは、それをどうやって克服するか・・・。『覚悟』=『武士道』=『剣』の発想が最終的に私を『碧雲館』へと辿り着かせました。
2002年1月、私は居合や剣道という武道の知識を何も持ち合わせないまま入門し、十五代宗家である勝瀬善光景弘先生に師事しました。
その当時の私は、武術を習得するのではなく、武術に携わる方達の考え方を最重視していました。それは、『必死の覚悟』をどうしたら身に付けられるか、その一点でした。毎週2回、宗家に稽古をつけていただき、言葉を頂くのがとても楽しみ。入門して2年が過ぎた頃、稽古の中から自分の追い求めていた答えらしきものがうっすらと感じ始め、敗退した遠征に再挑戦しようとその旨を宗家に伝えました。その最後に、『昔の人は、どうやって、覚悟を決めて死ぬかも知れないことに立ち向かったのでしょうか・・・』。私自身の核心を、先生に尋ねました。『お前は、何の為にカヤックも居合も稽古してるんだ?死なないためだろ?やってみて、その瞬間、瞬間に自分に何が出来るのか?そして、むしろその事を楽しめ。』と。何かが吹っ切れ、これまでの自分の価値観が大きく変わった瞬間でした。
それから数日後、満を持して私は遠征に出発。2ヶ月後、目標通りに遠征を完結し帰国しました。
それ以来、私は水鴎流の考え方(宗家の考え方)を自分の糧として、稽古での業一つ一つに『生き残るための業』と重点を置き、今まで以上に稽古が楽しくなり励むようになりました。
道理というものは万事に通じ、それそのものは多く存在しないように思います。『稽古』とは、古を考え学ぶということで、私は多くのことを『水鴎流』から学び、それらは私生活に活きていると思います。
まだまだ修行中の身ではございますが、ここに支部道場をもうけさせていただく運びとなりました。私が『水鴎流』から学び得てきたことを、少しでも多くの方へ伝えることが出来たら嬉しく思います。
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